綺麗な海や手つかずの自然が魅力的な離島に、心を奪われる人は多くいます。
その中には旅行で行くだけでは物足りず、生活の地を移す人もいる程です。
現在、若者は一都三県に集中する傾向になりますが、島には若者向けの仕事が多くあります。
更に、率先して住居や島に来る支度金を提供して、島への移住をサポートする自治体も増えてきたので、スローライフに関心のある人は、そうした制度を上手に使えば初期費用をほとんどかけずに島での生活をスタートさせる事が出来るでしょう。

しかし、実際離島に移り住んだ人の現実はどうなのでしょうか?
有名調査会社がリサーチしたところ、都会では出来ない暮らしに満足していると言う答えは半数弱だったそうです。
島での暮らしに馴染んで、今まで知らなかった事を知れたり、やりがいを感じている人は少なくありません。
とはいえ、その一方で残りの半数強は、「ストレスが溜まる」「都会に戻りたい」と答えたようです。
この背景には、離島がコミュニケーション重視の社会である事が関係しています。

島では、本土から日用品を売りに来る日や天候が悪い時の見回り等、いちいち回覧板や口コミで伝わってきます。
それに加えて、島のほとんどが高齢者ばかりで、若い人は珍しい存在になります。
そのため、日頃から何かと面倒を見てくれる人が多い反面、いざという時は戦力として頼られます。
こうした事を干渉されて煩わしいと感じてしまう人は、島での暮らしが嫌になりやすいかもしれません。

また、圧倒的な大自然の他に娯楽のない島では、刺激のない生活が嫌になる人も多くいます。
ですから、島に移住する際は良い面だけでなく現実もしっかり考慮した上で、移住を決めないと後悔に繋がります。